みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。
顧問契約しているお客様の資料を確認していると、タウンページの掲載料金が出てきました。開業したとき、私も掲載しようか迷った記憶があり、今回は、開業当初の事務所名PR広告について振り返ってみたいと思います。
1.NTTのタウンページの広告について
NTTタウンページは、昔は公衆電話の側に必ずあり、また多くの家庭にも一冊あったものです。インターネットが普及していない時代、何か調べ事をするときは、タウンページは貴重な資料だった気がします。(携帯世代の若い方はあまりご存じないかもしれませんが)
今回の顧問先のお客様は、単なる企業名と電話番号の掲載だけでなく、広告枠を買って会社名をPRされているようです。いい商談に結びつけばいいのですが。
私も、大東市に事務所兼自宅の電話回線を引いたとき、電話は「事務用」にするのか、「住宅用」にするのか、確認をされました。住宅用と事務用があるのさえ知らなかった私は、どう違うのか今ひとつ不明であったので、両者の機能の違い、及び事業で使うなら必ず事務用にしないといけないのか、を逆に聞き返しました。そのときのNTT側の回答を要約すると、使い勝手は全く同じですが、タウンページに出したい場合は事務用を選択しないといけないし、出さないなら住宅用でかまわないということでした。
NTTのサイトをみると、平成29年7月時点の両者の料金の違いは、800円「事務用」が高く、それがタウンページに掲載されることの料金と考えていいのでしょう。(7年前の開業時も、だいたい料金は似たようなものだったと思います。)
顧問先ゼロからのスタートだったので、少しでも自分の事務所名をPRしたい気はありました。ただ収入がほとんど「0」のときだったので、この800円/月をシビアに考えました。
相続税の申告を希望される個人のお客様は、こういったタウンページをみて、地元の税理士に依頼されるのかもと思うと、PRする効果はあるかもしれないとも思いました。
ただ開業当時の時点で、自分自身がお店を検索するときに、タウンページでなく、インターネットを使うのが当たり前になっていました。よって私にはタウンページを見て税理士を探す人がいることを今ひとつイメージ出来ず、結局住宅用を選択し、タウンページには掲載しない選択をしました。
その判断がよかったか、悪かったかは何とも言えないです。ただタウンページに掲載しようと思えば今でも出来ます。それでもしないのは、法人顧客との顧問契約を優先している現状では、あまり電話帳広告は効果的でないと開業時以上に思っているからです。
そういえば、電話の固定回線をNTTからJ:COM(今はそこからau)に変えてから、電話帳は持ってきてくれなくなりました。ないと寂しい気はしますが、最後にもらった数年前もあまり見ていなかったので、結局手元にあってもやはり見ない気がします。
2.市役所の封筒掲載広告について
迷った末に、1とは逆に投資した広告が市役所の封筒広告です。住民票の写し等を入れる用途として市役所窓口等に置いてある封筒に、事務所名をPRするものです。
1年間の契約で、(明確には忘れましたが確か)トータル2万枚ぐらいに自分の事務所の広告を入れられるとのこと。きっかけは代理店の方が営業に来られたことです。その際、士業にとって、市役所の封筒広告は、人気のある広告で、これで成功して何年も継続している方もおられるという話を聞き心が動きました。
料金は13~14万円ぐらいだったと思います。当時の私にとっては、かなりの大きな負担のある金額で迷いました。ただ一社だけでもその広告による出会いがあり、何年間か継続して続く顧問契約をしていただけるなら、十分広告とし成功ではないかと考えました。
私ども税理士業の顧問契約のビジネスは、継続性があるので、当初一定額を投資しても、契約していただければ十分メリットがあるものです。迷った末に、顧客を広げるには攻める気持ちも必要と考え、思い切って投資しました。
契約を決めてからは、楽観的に考え、かなりの方の目に触れるので、結構問合せがあるのではと心の中で期待していました。
が結果は、一年間でその広告を見てという問合せは一般個人からの1件のみ。その問合せの方から1時間の相談を受けたので、少しだけ報酬を得ることが出来ました。ただ結局顧問契約の成約には至らず、トータルの出入りを考えると結果的には失敗に終わったので、この一年間限りで封筒広告は終わりにしました。
3.教訓を得た封筒掲載広告
商売をやっている以上、多くの人の目に触れる努力をすることは大切だと思います。ただ、やみくもに事務所名だけをPRしても、主に法人対象で、一定額の報酬をいただくビジネスでは、成約に至らないことがわかりました。(もちろん運もあるとは思いますが・・・)
インターネットで必要なサービスを検索出来る時代では、やはりサービスを提供する人間がどういう人間で、どういう仕事が出来るのかを明確にする必要があるのです。そしてそれをブラッシュアップして、ブランド化・差別化出来ないとお客様から問合せをいただくのが難しい時代なのだと痛感した出来事でした。
まだインターネットが広まる前に開業した税理士の先輩に話を聞くと、看板さえ出しておけば問合せは自然と入ってくると言われたことがあります。私も、どこかそれまではそういう意識でいたのですが、この失敗以降、やみくもに名刺を配ったり、自分の事務所名を宣伝するだけではダメだと思い、事務所経営をより真剣に考え始めたきっかけとなったと思います。
そういう意味では、痛いお金の流出でしたが、教訓を得たという面ではよかったかもしれないと現在では思っています。(正直に言えば、少し負け惜しみ入ってますが)
事業をしている方は、ビジネスによって、有効な広告の方法は違っていると思います。出来るだけ確率の上がる広告の方法を試行錯誤しながら、見つけていただきたいと思います。
今西 学
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