みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。
先日ホームページ更新中の記事を記載しましたが、今日は、そのホームページのデモサイトが出来上がったので、紙にプリントアウトして、校正作業を行っていました。
そこで私が校正作業を行うときにいつも心がけている「視点を変えること」についてお伝えしたいと思います。
1.校正作業とは
私は、大学を卒業して、最初に働いたのが、名古屋に拠点がある大手予備校河合塾の事務職でした。本部ではなく、大阪の現場で勤務したのですが、事務職の仕事は多様で、塾生の進路指導、講師の日程調整、教材配布業務などなどいろいろな仕事をしていました。
その中の一つが、教材作成業務でした。教材作成といってもテキスト、問題集、模擬試験などの原稿をつくるのは講師の先生で、その原稿をもとに印刷業者とのやりとりも含めて校正して、教材の完成まで行うのが事務職の作業です。
具体的な校正作業とは、原稿をもとに印刷会社が印刷してきた冊子に、文字の間違いがないか、原稿とつきあわせて、一文字一文字間違いがないか見ていきます。
多少の誤字脱字は実際には大きな問題にならないかもしれませんが、私が担当していたのは理科の教材だったので、特に模擬試験などは、単位や数字が少しでも間違えれば、問題自体が成立しなくなってしまうということもあり、絶対間違わないよう強い意識をもって一文字一文字確認していました。(もう25年以上前の出来事です。きっと今では原稿をパソコンでつくり、そのパソコンの入力データのやりとりで、印刷会社も冊子をつくるであろうから、印刷会社側での文字打ちミスなどはおこならないかもしれません。)
それと同時に、印刷会社から出来上がってきた冊子を、斜め読みしながら、文脈がおかしいところがないか、確認していました。印刷会社が一行とばして入力していないか確認するためでもありますが、それと同時に元々の原稿自体に、文脈が通らないおかしい日本語表現がないか確認するためでもあります。
もし後者の場合には、講師の先生に確認し、必要に応じて文章の表現を変えていただくこともありました。
あとは、表現の統一、例えば「税理士事務所」と「会計事務所」という表現が同じページで併用して使われていたら、(意味が同じ場合)どちらに表現を統一し、文章の見映えを綺麗にするなども校正作業として行っていました。
2.校正作業のミスをしてしまった事件
自分ではものすごい集中力で、原稿チェックをしていたつもりなのですが、ある日ミスをしてしまいました。それは集中力が途切れてしまい、誤字・脱字を出してしまったミスではありません。
逆に集中して、視点が近視眼的になってしまったことからくるミスでした。(詳細はだいぶ前のことで忘れてしまったのですが)模擬試験の作成で、ある問題の設問において、「ア~オまでの中から正しいものを回答しなさい」という設問で、本来はもちろん選択肢がア~オの5個ないといけいないのに、選択肢が4つしか出来上がった問題冊子には設けられていませんでした。
そのまま気づかずに模擬試験の問題として模擬試験会場にまで行ってしまいました。すごく問題になり、上司から注意を受けた記憶があります。
3.ミスの原因は近視眼的な視点でのみ見ていたこと
そのミスの原因は、近視眼的にしか原稿をチェックしていなかったことです。私の記憶によれば、確か元々の原稿自体も4つしか選択肢がなかったはずで、私の文字のチェックもれではなかったはずです。
ただ少し距離をおいて文章を読んでいれば、ア~オの中から選びなさいとなっているのに、オの選択肢がないのは、おかしいとういうことにすぐ気づくはずなのです。しかし、全くそのときは気づきませんでした。模擬試験の問題なので、文字の間違いがないようにはいつも以上に注意していたはずなのですが・・・。
この件は、私が不注意だったと言えばそれまでです。でも、そんな私でも、その後、他人の校正原稿を最終確認する仕事をうけもったことがあるのですが、そのときには、結構他人の校正ミスを指摘しました。
そのときは最終確認の役だったので、原稿を一字一字チェックすることはしません。ただ、ページ数がとんでいないか、目次のページと実際のページがあっているか、目次のタイトルが実際の冊子のタイトルと合っているか、「第一章、第二章、・・」のように、冊子で連続して使われていないといけない数字がとんでいないか、等、少し距離をおいて冊子を見返しする確認を行っていました。
そのような仕事をしているときは、私は結構、ベテランの人のミスも発見し、感謝されることがありました。このときは、少し高い視点から最終原稿をみることができたから、ミスが見つけられたのだと思います。
もちろん、最終チェックの前に校正の直接担当者が、大きな誤字・脱字の修正もしていたであろうから、細かく文字を追う視点も当然必要不可欠です。
しかし、それだけではミスが起こるのではないかと気づきました。近視眼的な視点と少し高いところからみる視点の両方が必要なのだと思います。
4.現在の仕事でも意識しています。
予備校の仕事は2年で退職し、次の職場である市役所に行ってからは、市民向けのパンフレット等をつくるときに校正の技術を生かすことは出来ましたが、税務会計の道へ進んでからは、もうほとんど校正の技術を使うことはありません。
ただ、当時学んだ、時には視点を変えるという考え方は、忘れずに仕事に生かしています。例えば、法人税の申告書や所得税の申告書を作るとき、数字の間違いがないか、当然ですが強く意識をして業務に取り組み、完成させます。
しかし、すぐに提出しないで、翌日になり、気分や時には場所を変えることで、視点を変え、申告書の最終チェックを行っています。本当は別の人に最終チェックしてもらうのがいいのでしょうが、ひとり事務所経営なので、すべて一人で行う必要があります。
そしてその最終チェックのときは、細かい数字より、もっと他の優遇規定は受けられないのか、この部分と別の部分が同じ数字になっているか、単位が間違っていないか等、細かい数字を追うのとは違う観点から最終チェックをします。
そして、あえていつもとは言いませんが、最終チェックで、間違いやもっと他の有利な規定の適用が出来る等、気づくこともあります。
もちろん、最終チェックより前にそのことに気づいていればいいのですが、最初から高い視点ばかりでしごとをしようとすると、細かい数字のミスを起こしたりしがちになってしまいます。よって、意識的に作業を二段階にし、それぞれで視点を変えてチェックすることにより、ミスをなくすよう意識しています。
以上、みなさんも、目の前の業務や日常生活で、一生懸命になりすぎていることがあれば、たまには視点をかえて、少し離れた視点からみれば、また違う発想や改善点が見つかることがあるかもしれません。
素早い決断、行動が必要なことも多いですが、視点が狭まっている気がすることがあれば、意識的に一晩おいてみたりして、場所やを気分を変えつつ、少し高い視点で物事を考えてみたりすることも有意義かもしれません。凡才の私だからの考え方で、普通の人は同時にできるのかもしれませんが・・・。。
今西 学
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