「働き方改革」の内容について調べてみました。

みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。

週刊ダイヤモンドの5月22日発売の特集は「人事部vs労基署」というテーマで、その中に現在政府が進めている「働き方改革」についても記載されていました。


少し自分でも調べてみようと思って、首相官邸のサイトに記載されている平成29年3月28日に決定された「働き方実行計画概要」から、その決定された柱だけを抜き出してみました。なお、3~10の柱については、上記週刊ダイヤモンドの特集記事から該当する部分を引用いたしました。

1.同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善

2.時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正(罰則付)

3.賃金引き上げと労働生産性向上
「最低賃金を、年率3%を目処にして、名目GDPに配慮しつつ引き上げ。全国加重平均1000円を目指す」(2023年度までに)

4.柔軟な働き方がしやすい環境整備
「テレワークガイドラインの制定。及び施行・普及。週一日以上在宅で働くテレワーカーを全労働者の10%に」(2020年度までに)

5.女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備
「労働法令違反を繰り返す企業の求人を、ハローワークや職業紹介事業者が受理しないことを可能に」(2019年度までに)

6.病気の治療と仕事の両立
「治療と仕事の両立を支援するため、医師と会社をつなぎ両立プランの作成をする両立支援コーディネーターを20年度までに2000人養成」

7.子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労
「男性育休の取得促進(男性育休取得率13%を目指す)」(2020年度まで)
「育児や介護に理解のある上司(イクボス)のロールモデル集を作成」(2020年度まで)

8.雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
「年収や仕事内容、技術上の職業情報を網羅した官製サイト(日本版O-NET)創設」(2020年度より)

9.高齢者の就業促進
「65歳以降の継続雇用延長・定年引き上げ促進の集中支援期間(20年度まで)。」「企業への助成強化」「ハローワークでの65歳以上の求人開拓を強化」

10.外国人材の受け入れ
「2017年度より在留資格”介護”保持者の受け入れ開始」「高度外国人材の活用を促進。20年度までに1万人を目指す」

などがあげられています。

なお、上記で引用しなかった1と2について、週刊ダイヤモンド特集号の記事を参考にしながら、簡単にまとめてみると、

1.同一労働同一賃金など非正規社員雇用の処遇改善

基本給・賞与については、正規社員も非正規社員も「均衡」待遇、手当・福利厚生・教育訓練については「均等」待遇を目指して法制化していくとのことです。

なお、「均等」待遇は、正規社員も非正規社員も処遇を全く一緒にすることであり、「均衡」待遇は、正規社員と非正規社員の働き方が違う場合、その違いに応じて非正規社員には正社員と均衡のとれた待遇の確保が必要になるということです。

よって、手当(通勤手当や住宅手当など)の支給、福利厚生・教育訓練については正社員・非正規社員とも全く同じものを受けることになります。

また基本給・賞与については、その待遇差が合理的に説明出来るものでなければならないとのことです。

「均等」待遇はわかりますが、「均衡」待遇は少しわかりにくいですね。もう少し内容が深まってくればまたブログでもお知らせしたいと思います。

2.時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正(罰則付)

残業時間は、原稿の厚生労働大臣の限度基準告示(罰則がないもの)である、月45時間以内 かつ 年360時間以内が罰則付きの法律に格上げになるとのことです。

ただ臨時的な特別の事情がある場合には、「特例」として上記基準を上回って残業してもらうことも可能となるのですが、その場合にも条件がついており、

・年720時間以内
・休日労働を含め月100時間以内
・2ヶ月ないし6ヶ月平均で休日労働を含め、月80時間以内
・月45時間を超える「特例」の適用は年6回が限度

といういずれの条件も守らないといけないとこのことです。

繰り返しになりますが、残業時間の規制は努力目標ではなく、今後は、罰則付きの法律の効力が発生することになり、これらの基準を超えると労働基準監督署の取り締まりの対象になるとのことです。

 

以上、「働き方改革」の内容の概要をまとめてみました。週刊ダイヤモンドの記事によると、実際に働き方改革会議で集中的に議論されたのは、上記1と2だけであり、これらは今秋の臨時国会の審議を経て、2019年4月~施行される予定であるとのことなのですが、それ以外の項目の議論はあまりされなかったとのことです。

今後もこの「働き方改革」については、注目していきたいと思います。

 

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今西 学

今西 学

大阪の大東市(最寄駅:JR学研都市線の住道駅)で税理士事務所を開業中。(ホームページはこちら) このブログでは、税金・年金・お金の運用など日々の業務で気づいたことや、幼少の頃身体が弱かったことから常に健康で生きていきたいという思いで日々取りくんでいること等を記事にしています。 詳しくはこちら