電子納税(入力方式)は難しくありません。トライしてみて下さい。

こんにちは。今西です。
所得税・贈与税の確定申告期限3月15日が先日到来しましたが、皆さん、「電子納税」という言葉を聞かれたことがありますか?納税の必要がある私のお客さまで、税務署に置いてある紙の納付書ではなく、電子納税で預金口座から振込のようなかたちで納税された方が何人かおられます。
電子納税というと敷居が高い気がしますが、「入力方式」という方法の電子納税は、それほど難しくなく便利でお勧めです。納付書を入手したりする手間が省けたり、納付する際に金融機関へ行く手間・待ち時間も省けますので、納税の機会があればぜひ一度トライしてみてください。

以下、電子納税についてよく聞かれる質問ですが、自分なりに答えをまとめてみました。

(質問)「電子納税は聞いたことがあるが、事前に税務署に届出する必要があるのでは?」

(回答)国税庁のホームページにあるとおり、電子納税は大きく二つの方式があり、「ダイレクト納付」という納税手続きは、事前に届出書を提出し、預金振替する口座を税務署へ宣言しておく必要があります。この方法は、直前に電子納税しようとする場合は、使えませんし、ご自身でマイナンバーカードなどの「電子証明書」がない場合は使えません。(税務署に置いてある電子納税のパンフレットでは、このダイレクト納付を記載しているものが多い気がします。ただ個人的には少し、敷居が高いのでは?と思います。)

もう一つは、「インターネットバンキング等による納付」方法があります。この方式はさらに二つの方法に分かれるのですが、私がよくお客さまに案内するのは、「入力方式」による納税です。この場合、事前に税務署へ届出を提出する必要はありません。また、事前に「電子証明書」(マイナンバーカード等)の手配は入りません。
ただ注意点は、この入力方式による電子納税が使えるのは、全ての税金の納付ではなく、法人税、消費税、所得税等の申告に限定されています。(身近なところでいうと、贈与税、相続税、源泉所得税の納税では使えません。)

(質問)「電子納税はネットバンキングの登録がないと使えないの?」

(回答) 入力方式による電子納税では、ネットバンキングからも納税できますし、ATMからも納税出来ます。ネットバンクでもATMでも「ペイジー」というメニューをご覧になったことはありませんか?、そのメニューがあれば電子納税出来ます。(ペイジーは電子納税だけでなく、私はNHKの受信料等も払い込みしています。)
ネットバンクやATMの「ペイジー」のメニューは、銀行の窓口が閉まる15時以降も使えますし、電子納税すれば、原則的に即時に納税が完了したことになります。

(質問)「電子申告ではなく紙で申告書を提出したが、電子納税は出来るの?」

(回答)電子納税は紙で申告した場合でも行うことが可能です。よって、電子証明書が手元にないため、所得税の確定申告書を電子申告することが出来ず、紙で印刷して郵送、持参される方も電子納税することが可能です。(参考サイトはこちら)

(質問)「それでは、何の前準備もなく、電子納税出来るの?」

(回答)電子”申告”を過去にされた事のない方は、事前にネット上での以下の登録操作が必要です。国税庁の発行する「利用者識別番号」と、その番号で納税する際に使用する「納税確認番号」を初回に電子納税する前に取得・登録する必要があるからです。
電子納税は、電子申告でなく紙の申告書を提出する場合でも出来るというのは間違いありません。ただし、入力方式によるペイジーを使った電子納税には、「収納機関番号」と、「納付番号」、「確認番号」、「納付区分番号」の四つの番号が必要です。(参考サイトはこちら。この納付書の番号を自分で用意し、入力する必要があります。)このうち、収納機関番号は、国の税金の場合は「00200」と固定されていますし、納付区分番号は、ルールに基づき自分で作成することが可能です。
問題は「納付番号」と「確認番号」ですが、これは電子申告の開始届出を出すと発行・登録される、「利用者識別番号」と「納税確認番号」が該当します。よってこれらの番号を取得するには、「電子申告」(電子納税ではありません。)の開始届出を提出することが必要で、これらの番号がないと電子納税は出来ません。実際に電子申告するか否かに関わらず、事前にこのサイトから自分の住所等を入力した電子申告の開始届を提出し、その届出提出が完了すると発行・登録される「利用者識別番号」(永続的に使える番号)と「納税確認番号」を最初に電子納税する前に、取得・登録する必要があります。

少し面倒かもしれませんが、この開始届提出には、電子証明書の取得は不要です。よって、事前にマイナンバーカードを取得したり、その電子証明書を読み込むためのカードリーダーを購入する必要はありません。届け出書の入力事項は5分程度もあればすむものですし、番号は即時に発行・登録されます。ただ、ルート証明書等のパソコンへのインストールが届出を出す前に必要なので、パソコンの機種やネット環境によっては少し時間がかかるかもしれませんが、現在のパソコン性能やブロードバンド環境を考慮するとそれほど時間はかからないと思います。

以上、他にも電子納税を行う際に注意点があるのですが、長くなるので、また改めて説明させていただきたいと思います。

 

(編集後記)

3月15日の確定申告期限の日は、最後の申告が完了したのは期限1時間前の23時頃でした。最後の申告は、自分自身の確定申告でした。今年は段取りよく順調に確定申告業務を行っていたつもりですが、急なご依頼等もあり、最後の4~5日は慌ただしく過ごしてしまいました。少なくとも自分の申告はもう少し早く完成し、提出しておくべきでしたね。来年の反省点としつつ、少しお疲れモードになっているので、三連休はゆっくりとして、また来週から心機一転仕事に取り組んでいきたいと思っています。

The following two tabs change content below.
今西 学

今西 学

大阪の大東市(最寄駅:JR学研都市線の住道駅)で税理士事務所を開業中。(ホームページはこちら) このブログでは、税金・年金・お金の運用など日々の業務で気づいたことや、幼少の頃身体が弱かったことから常に健康で生きていきたいという思いで日々取りくんでいること等を記事にしています。 詳しくはこちら