みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。
突然ですが、税理士とお付き合いのある方にお伺いします。税理士のことを呼ぶとき、「先生」と呼んでいますか?それとも名字で呼ばれていますか?
私は、「(今西)先生」と呼ばれるか、「今西さん」と呼ばれるか、半々ぐらいです。比較的年輩の方からは「先生」と呼ばれることが多いですし、年齢が私より下の方は、「今西さん」と名字で呼ばれることも多い気がします。どちらでも私は気にしません。はじめは、大した人間ではないので、「先生」と呼ばれることに少し照れくささがありましたが、最近は厚かましくもそういう気持ちは薄れた気がします。では税理士は先生業なのでしょうか?
1.先生業なのか?
当初自分の中で、先生業、イコール偉そうというイメージがあり、自分は税理士としてそうはなりたくないと思っていました。人に偉そうにされるのは自分も嫌いですし。税理士業は先生業ではあってはならないと強く思っていました。
よって、税理士になった当初は「先生」と呼ばないでとお伝えしていたこともあります。
ただ、約一年前、同年代の税理士の方から、税理士は顧問先を正しく会計税務処理出来るよう「教え導く」という面は絶対あるし、先生業としての部分は絶対必要なんだ、と言われなるほどと思いました。確かに、学生時代のいい先生というのは人生の恩師にもなりうる存在だし、先生業という言葉にはよき方向に導くというプラスの側面もあるうのも納得しました。
ただ、そうわかってはいても、人間的に立派な存在ではない自分自身を省みると、税理士は先生業というのはどうも自分にとってはしっくり来ない面もあります。
2.サービス業なのか?
「サービス業」という言葉は、ネットから顧客を獲得したいという戦略をたてている若手税理士がよく使う言葉で、先ほどの先生業の悪いイメージをもとに、偉そうにせず、サービス業としてお客さまの喜ばれるサービスを提供しますという意味で使われることが多いです。気がつけばこの業界でも、だいぶこの言葉を使う税理士が増えてきたという気がしています。
確かに、私も前の税理士は、偉そうにして嫌だったという方にお会いしたことがあります。そういう意味では、私もサービス業という名称で自分を売り込もうと考えた時期もありました。
しかし、独立開業して、いろいろなお客さまと接すると、決してお客さまの喜ぶことばかりのサービスを提供する仕事ではないのではという気がしてきました。
極端な例ですが、仮に脱税・粉飾をしたいという事をお客さまが言われて、仮にそのための報酬をもらったとしても、その思いが成就するためのサービスを提供することは出来ません。法律に基づき、公正な申告をする義務が税理士資格自体に内在されているからです。そのバーターとして、税理士だけが申告書を作成出来る等の独占権限が与えられていると私は考えます。
よって、報酬をもらっているからといって、お客さまの喜ぶサービスを常に提供するという仕事とも言い切れません。よって、税理士は「サービス業」と言い切ってしまうのも、違う気がします。
(参考)ウィキペディアによると、サービスとは、「経済用語において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のこと」とあります。
3.ではどういう存在?
以上、税理士業を先生業というのも、サービス業というのにもどこか違和感が残ります。それでは私は税理士とはどのような存在と考えているのか?現時点では、専門家と言うのが自分が思っている税理士の存在です。それには私の税理士を目指したきっかけからくるところでもあります。
私は地方公務員の事務職として、9年間大組織で働いていたのですが、専門分野の技術をもたないと、結局人間関係により仕事やポジションが左右されてしまう気がしました。それが嫌で、自分なりに専門職として生きていきたいと考えたことが税理士を目指したきっかけなのです。
まずは専門家として自分の能力を高め続け、その実力でもってお客さまに適正なアドバイスをすることで、お客さまが「先生」と思ってもらえれば、それはそれで否定するものではないと思います。また専門家といっても税理士はお客さまあっての専門家ではあるので、お客さまとのコミュニケーションをとり、長期的利益が損なわれないようサービスを提供し、お客さまに効用や満足を感じていただけるよう努力していかねばならない存在でもあると考えています。
以上、今後もまずは専門家として自分を高める努力をしていきたいと思います。
今西 学
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