国民年金保険料二年分前納をしてみました。

みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西です。今回は、会社員や公務員の方以外の自営業者やその配偶者、学生などが加入する国民年金の保険料前納について述べてみたいと思います。

国民年金保険料に加入されている方は、保険料の納め方はどのようにしておられますか?保険料について前納すると割引がありますし、また毎月納めるのも面倒なので、一定期間の保険料をまとめて前払いする前納制度を利用されいる方もおられると思います。

なお平成29年度分については、現金で前納する予定の方は、平成29年5月1日が納期限になりますので、忘れないようにしましょう。また口座振替されている方は、その日に引落になりますので、口座残高を確認しておきましょう。

私も自営業者なので国民年金保険に加入しているのですが、今年は保険料の納付の予定はありません。といっても滞納ではないですよ。昨年この時期に2年前納で2年分の保険料を一括して納付済みだからです。

(1)前納制度とそのメリットについて

国民年金保険料の前納については、6ヶ月前納、1年前納、2年前納があります。このうち2年分の前納制度は平成26年4月から新たにはじまった制度です。そのメリットは割引額で、私が納付した平成28年度の場合、平成28年度分と平成29年度分の2年間の保険料を納付することになりますが、本来払うべき金額は、平成28年度が16,620円×12月、平成29年度分が16,490円×12月の合計393,000円なのですが、2年前納すると納付額は377,310円になり、毎月納める場合より、15,690円の割引になります。これはほぼ一ヶ月分の保険料に近く、大きな割引でお得に感じます。

参考までに2年前納の割引額を6ヶ月前納、1年前納と比べてみると、6ヶ月前納を口座振替で納める場合、毎月納める場合と比べて1,100円の割引(6ヶ月で)、1年前納を口座振替で納める場合、毎月納める場合と比べて(1年間で)4,090円の割引です。これと比較しても、2年前納の割引額は大きいと感じます。

なお、これは2年前納した人だけに対して、特別な報奨として割引を大きくしているのではありません。いずれの期間の前納についても割引額は、年利4%の複利現価法によって計算した額から導かれ、結果的に2年前納は割引額が大きくなるということです。(複利原価法については難しいので省略しますが、気になる方はこちらのサイトでイメージをつかんでください、)

(2)前納制度のデメリット

前納制度のデメリットは、保険料が一度に手元から出てしまうことでしょう。特に私の利用した2年前納の制度では引落額が大きくなります。私が利用した平成28年度の2年前納では、昨年この時期に、377,310円が一括で引き落とされました。個人事業をされている方で資金繰りが大変な方、今後大変になりそうな方などは、無理にこの割引額を取りに行かずに、毎月納付にして、手元資金を残し、その分その資金を使って安定的に利益をあげることを優先した方がよいかもしれません。

(3)納付方法と2年前納の場合の申込期限について

私が納付した前年度(平成28年度)までは口座振替によらなければ、2年前納は出来ませんでしたが、今年度つまり平成29年度からは、現金払いやクレジットカード納付でも前納が可能となりました。(現金納付やクレジットカード納付の場合は、口座振替に比べて少し割引額が小さくなります。)また、2年前納するには事前に年金事務所へ申込が必要で、口座振替、クレジットカード納付の場合は、納付しようとする年の2月末が申込期限となります。(平成29年度なら平成29年2月28日が期限)納期限より申込期限は約2ヶ月早いので、2年前納を検討される方は早めに年金事務所へ申出してください。なお、現金による2年前納は4月でも手続き可能となっています。(こちらのサイトで平成29年1月に出された厚生労働省から報道関係者へのプレスリリースが掲載されています。)

(4)所得税の社会保険料控除について

所得税において、その年に支払った社会保険料は全額所得から控除出来ます。(社会保険料控除)2年前納の場合、その①支払った年にすべての金額を控除してもよいし、②各年分の保険料に相当する額を各年において控除してもいいとされていました。つまり選択制です。私自身、この2年前納をしようと思ったきっかけは、割引額が大きいというメリットを得たいためだけでなく、②の各年分の保険料に相当する額を各年において社会保険料控除することを選択したとき、それぞれの年において控除すべき保険料はどう計算するのかという点を知っておきたいと思ったからです。
お客さまの確定申告で、そのような事実が発生し、②の方法で控除するよう要望を受けた場合、こちらで各年分ごとの保険料を計算するのは大変なので、自分自身で一度試しておいた方がよいと考えました。ただ結果的には悩むことはありませんでした。送られてきた控除証明書を見れば、すべて書かれているからです。

上記の通り、下の部分に控除証明額が28年、29年、30年の各年ごとに分かれて、また金額も記入されて送られてくるので、その金額のとおり、社会保険料控除すればいいというのがわかりました。送られてくる控除証明書は、ハガキでくる普通の国民年金控除証明書と違い、A4サイズで封書にて送られてきました。①の方法で全額控除する場合は、この控除証明書の全部を確定申告書に添付し、②の方法の場合、下の部分を切って、各年分に対応した控除証明書をそれぞれの年の確定申告書に添付することになります。
(参考までに私は自分の平成28年の所得と、平成29年の所得の見込みをふまえ、①の方法を自分にとって有利と考えて選択しました。)

日銀がマイナス金利政策をとっている今、銀行に預けていてもほとんど利息はつきません。1年定期預金の利率でも0.01%というところあり、その場合40万円預けていても1年で40円程度しか利息はつきません。満期後もう一年預けるときももし利率が変わらなければ2年預けても合計80円しか利息はつきません。それと比べれば国民年金加入者で定期預金に預けるような余剰資金がある方は、2年前納されるのもお得と考えてもいいのでは?お得と感じられる方は、トライしてみてください。

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→国民年金保険料2年前納クレジットカード払にトライしてみた記事はこちらです。

 

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今西 学

今西 学

大阪の大東市(最寄駅:JR学研都市線の住道駅)で税理士事務所を開業中。(ホームページはこちら) このブログでは、税金・年金・お金の運用など日々の業務で気づいたことや、幼少の頃身体が弱かったことから常に健康で生きていきたいという思いで日々取りくんでいること等を記事にしています。 詳しくはこちら