みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。
もう約1ヶ月前になりますが、大阪府の社会保険労務士会の主催する研修会で、「人工知能や先端ITで士業の仕事はどうなる?」という研修に参加してきました。
講師は日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 戸村智憲氏で途中休憩なしの約120分のセミナーでしたが、内容も面白く、また講師の先生の話し方もうまかったこともあり、あっという間の120分でした。
セミナーを受けて考えたことをいくつかまとめてみます。
1.士業の仕事はAIや先端ITの発達とともにどうなるのか?
研修の本題の内容は、この話題でした。(ただ、研修内容は、現在の人口知能や先端ITが社会全体に及ぼす影響についての話が中心でしたので、直接士業に言及した部分はそれほどありませんでしたが。)
士業にとっての顧客側である企業は、国際競争力を高め、生産性向上を考えないといけない時代である。よって、企業側からみると、「士業の仕事はなくしたい、消したい仕事である。そうであるなら、「将来的には士業の仕事はなくなっていく可能性が高い。」というのが講師の戸村先生の今後の見通しでした。
よって、生き残っていくためには、付加価値や独創性のある仕事をしていくこと、及びクライアントから「あなたでなくては駄目である」という愛着をもっていただくように仕事をしていくこと、が必要だというのが講師の見解でした。
正直、この結論の部分だけをみれば、最近世間でよく言われていることではあるので、目新しいものではないのかもしれません。
ただ、私自身は、士業の仕事が一部自動化され、人工知能や先端ITに置き換えられても劇的になくなってしまうことはないのでは?と思っています。(大きな社会の流れとしてAIや先端ITで置き換わる仕事が多くなるということは理解出来るのですが)
今でも職人的な仕事をしている飲食業や建設業の中小企業経営者の方は、それほどIT知識がなく、パソコンもあまり使えない場合もあります。そのような状況の中で、「人工知能」「先端IT」と言っても、それを使いこなすことが出来ない中小企業も一定数あるのでは?と思うからです。
また、社労士でいえば給与計算、税理士でいえば記帳代行のような業務が完全に自動で出来るようになったとしても、やはり相談業務、人事や税務の戦略をたてたりする仕事は残るような気がしています。
加えて士業は先生業のイメージが根強く残っており、「先端ITを活用するので、あなたはもう不要です。」とまで、企業側がすぐに言えるのかな?という気もしています。
小さい中小企業ならともかく、大きな企業が本当に士業のコストをどうしても削減したいほど負担に感じているのか?というと、そこまで士業コストが大きなコストなのか?という気はしています。
(もちろん、国家が政策として、人工知能やITが発達してきたので、士業である税理士・社労士は制度として廃止すると決めれば、なくなってしまうかもしれませんが・・・)
このように書いてくると、考えが甘いという指摘を受けるかもしれません。
が、正直にいうと、これからまだ仕事を増やしたい私にとっては、この業界が、ある程度は外部環境からの刺激に見舞われて、顧客も含めて流動化した方が自分にはチャンスがあるのでは?と思っている面があります。
また、単純な仕事は人工知能や先端ITが行ってくれれば、価格だけで士業を選ぶ時代でなくなり、士業の業界がどのような付加価値を与えることが出来るかで選ばれる時代になるかもしれません。
そのように変わってくれた方が、むしろ私の仕事にとってはいい環境になるのでは?と思います。よって、それほど今の状況を悲観的にはみていません。ただ、そのためにも、日々勉強、努力していかねばと思っています。
2.世の中ではかなり人工知能や先端ITが広まってきているのは確かである
ただ、世の中全体でみれば、人工知能や先端のITが広まってきていることを日々実感出来るようになってきました。
税理士業界でも、預金通帳の明細やクレジットカード履歴の、会計ソフトへの自動取り込みなどはかなり一般的になってきたように思います。税理士事務所の入力スタッフについても、今後少しずつ減少していくのは?と考えます。
また日々のニュースの中でも、将棋やチェスのプロがAIに勝てなくなったという話、ソフトバンクからPepperというロボットが発売されているという話、IBMのワトソンが医療現場で病気の診断をしているという話、車の自動運転が間近に迫っているという話などが聞こえてきます。
また、日々の暮らしの中でも、買物の際の自動レジをこ経験したり、AIを活用した投資信託の購入も投資対象の一つとして検討したり、等。またGoogle検索などにもAIは使われていと書いているサイトもありました。。
今回の講師の戸村先生が、この研修の最初の導入のとして話されたのが、ご自宅で使われている”Google Home”の使用感の話でした。「OK Google」とよびかけ、やってほしいことがあればそれに応え、適確に対応してくるとのこと。
例えば今日の天気を聞いたり、音楽を流すよう命令したり、アラームをセットしたり等諸々の用途で活用されているとのことでした。
今後、こういった人工知能やITは我々の生活にますます入ってくるでしょう。わからないもとして遠ざけるのではなく、出来る範囲にはなりますが、積極的にうまく活用するという気持ちで、つきあっていかねばと思います。
私も早速、時代に遅れないようにと先日「Google Home mini」を楽天ブックスで購入しました。セール期間中だったので、定価の半額3,240円で購入。これなら、うまく操作できなくてもあきらめられる金額です。
また後日、私が使いこなせたのかを記事に出来ればと思っています。
3.今後のAIや先端ITの進歩に関する不安な点
消費者としての立場からみたAIや先端ITの進歩は一見楽しみなことが多い気もしますが、今後その進歩により逆に不安になる点も教えていただきました。今回の研修でも一番印象に残ったのは、士業の将来よりむしろこのことでした。
一つは、人工知能の「2045年問題」という話で、人工知能が自分でプログラムを改良していくようになると、人間の進化スピードを凌駕して進化し、2045年にはもう人間の知能を超えてしまうという話です。
講師の先生は「ロボコップ」という映画の話を例に出されていましたが、人間がロボットに使われてしまうという時代になる可能性もあるとのことです。
人工知能がロボットに組み込まれることで、まさにありえないSFの世界だと思っていた、映画の「ロボコップ」や「ターミネーター」の世界が近い将来やってきて、ロボットに人間が管理されることも可能性としてはありえるのでしょう。
2045年というと、あと約30年。私も80歳前後なので、まだこの世に生きている可能性があります。人間が人工知能をうまく制御出来れば、問題はないので、そんなことは起こらないと思いたいです。
ただ、時代はAIや先端ITによって劇的に変わりつつあり、今後も、より大きく変わっていくのでしょう。それらとうまく共存していく道を個人的にも、社会としても考えていかねばならない、そう認識することになった研修会でした。
今西 学
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