苦労した私の社会保険労務士試験受験体験記

みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。平成29年度の社会保険労務士の試験が8月の最終日曜日に行われました。今回は、社会保険労務士試験の特徴と私がどのように受験し、合格出来たのか簡単にまとめてみました。

1.社会保険労務士試験の特徴

社会保険労務士試験は、1日で、すべての科目の試験があり、その試験結果だけで合否が判定されます。よって、五科目の合格を何年かかかって積みあげる税理士試験と違い、出来る人は頑張れば理論上は一回の試験で合格出来る試験ではあります。ただし、以前は10%に近かった社会保険労務士の合格率がここ直近2年は、2.6%、4.4%と非常に低くなっています。よって、よっぽど頑張らないと1年での合格は難しくなっている気がします。

試験科目は、選択式と択一式の二つの形式で出題されます。選択式は、文章に空欄があり、その空欄の中に入る適切な数字や言葉の選択肢を4個 あるいは 約20個の選択肢の中から選び、回答する方式です。
一方の択一式は、5つの文章(選択肢)の中から、正しい文章(選択肢)を選ぶものです。

択一式は、7科目から出題され、それぞれ10問の問いが出されるので、全部で70問出題され、70点満点です。また、選択式は、8科目で、1科目につき5つの空欄を埋める必要があるので、全部で40問、40点満点です。(社会保険労務士の試験の詳細はこちらのTACのサイトなどを参考にしてください。)

選択式・択一式両方とも、その合計点数が、年によって変わる合格基準点を上回ると合格となります。ただこの社会保険労務士試験合格の重要なポイントであり、気をつけないといけないのが、”足きり”です。

各科目とも、択一式では、10点満点中4点以上、選択式では各科目5点満点中3点以上とらないといけないということです。もし一科目でも上記点数に達していないと、その時点で他でいくら点数をとっていても不合格になります。私もこの”足きり”で涙をのんだ経験があります。(正確にいうと、あまりに難しい問題が出題されたときは、補正が入るときがあります。例えば選択式では今年は、ある特定の科目については2点以上とれれば合格にするというように。)

2.1回目の受験

平成24年8月に私は社会保険労務士試験の1回目の受験をしました。そのときは、資格の大原で年明けから通信講座を受講したのですが、何とか講義を消化するのに精一杯で、ほとんど演習問題を解いたりすることが出来ませんでした。

ただ細かい暗記が勝負だと思っていたので、仕事に追われていた7月が終わった、8月から試験日である8月最終日曜日までの約一ヶ月間、集中して勉強しました。がんばって暗記をすればまだまだ望みはあると思い、最後のラストスパートで追い込んだつもりでした。
が、結果は甘くありませんでした。択一式で42点しかとれず、その年の合格基準点46点を下回り、不合格となりました。

1年目の試験結果は、完敗でした。社会保険労務士試験の試験範囲は広く、付け焼き刃の知識ではどうにもならないことを悟った1年でした。

3.2回目の受験

平成25年に2回目の受験をしました。そのときは、TACに通学し、DVD講座にて受講しました。とにかく教材を一定のペースで消化して、知識を少しずつ積みあげないと合格できないとそのときは思っていました。よって、DVD講座ではありますが、通学することで、一定のペースを確保しようとしました。

また、基本をとにかくしっかりと勉強しようと心がけました。みんなが間違う問題は、絶対に間違わない、これが必要だと考えました。(税理士試験の勉強では常にそう習っていました)

なんとか模擬試験でも合格ラインに近づいていたのですが、試験結果は、あえなく不合格。点数は択一式51点、選択式29点と、その年の合格基準点である45点、21点を超えていいました。

ただ選択式の「健康保険」の科目で1点をとってしまって、あえなく足きりにあい、不合格に。時間がない中、基本を中心にやっていたのですが、健康保険法の本試験では少し周辺の細かい知識を問われ、5問中で1点しかとれず。ある程度勉強しただけに悔しかったですし、総合点では基準を超えても、一科目でも出来が悪いと足きりされるというこの試験の怖さをしりました。

今から考えると、実力なのでしょうが、その時は、運に左右される怖い試験という思いを持ちました。

4.3回目の受験

平成26年に3回目の受験をしました。既に二回受験に失敗しています。よってその年の勉強を始める前に、これは自分に向いた試験なのかとすごく悩みました。どこかで撤退の時期も考えないとずるずると結果が出ないまま、時間が消費されてしまうのでは?という思いがありました。

そこで今回が最後の受験にしようと決め、悔いの無いよう予備校の教室の講座に週2回、毎晩通うことし、LEC梅田校の基礎講座に通うこととしました。

ここで、教え方がうまいと言われている工藤先生の講座を受講しました。そうすると、今までは暗記中心と思っていた勉強が、理解しながら勉強するという方向に変わってきました。社労士の講座は1講義が盛りだくさんなので、もしいきなりこの教室講義を受けていたなら、暗記事項を覚えるのに精一杯でついていけなかったかもしれません。ただ約2年間の受験勉強をしてきたからこそ、講義の内容を少し落ち着いて聞くことが出来、理解へと進めたのかもしれません。

その年は予備校の模擬試験等を受験しても成績がよく、自分でも実力がついてきたのがわかりました。このときの受験は、択一式62点、選択式36点と、合格基準点の45点、26点を大幅に上回り、合格。(この年は合格率が9.3%と跳ね上がったこともあり、結果的にはそこまで点数とらなくても合格出来たことになります。)

でも余裕で合格したかというと、事実は冷や汗ものでした。というのは、選択式の「労働に関する一般常識」という科目で足きりギリギリの3点をとってしまいました。その正解した3問のうち1問は二択で迷って回答したものが正解していたので、一つ間違えれば2点で、”足きり”にあっていた可能性もありました。

社会保険労務士試験では、選択式で科目によってはかなりの難問が出題されることもあります。そこで3点とれないことも、頻繁に起こります。よってこの社会保険労務士試験は、”足きり”に引っかかる可能性がある、本当に怖い試験だなというイメージが残っています。

5.まとめ

以上、私の社会保険労務士の受験経験をまとめてみました。現役の社労士の方は、1回で合格された方も多いでしょうし、3回の合格は、全く自慢出来るものではないのですが。

ただ、運・不運は試験につきまとうものではありますが、私の場合、税理士試験も含めて、難易度の高い試験は、暗記だけでなく、自分の中にそれぞれの法律がしっかりと頭の中で理解出来たときに合格しています。こういった法律系の試験を受験される方は、暗記も大事ですが、それを超えて自分の中でよく理解出来るよう心がけ、合格を目指すのがいいのではと私は思います。

最後に社会保険労務士試験は、最初にも書きましたが、合格率が下がり、かなり難しくなってきています。受験される方は、安易な気持ちで受験するのでは合格出来ません。しっかりと激戦に勝ち抜き、自分の人生を変えたいという強い気持ちをもって、日々の受験勉強に取り組んでいただきたいと思います。

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今西 学

今西 学

大阪の大東市(最寄駅:JR学研都市線の住道駅)で税理士事務所を開業中。(ホームページはこちら) このブログでは、税金・年金・お金の運用など日々の業務で気づいたことや、幼少の頃身体が弱かったことから常に健康で生きていきたいという思いで日々取りくんでいること等を記事にしています。 詳しくはこちら