みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。
2年半前ぐらいでしょうか。大東市の住道駅前に100円ショップSeriaが開店しました。それまで100円ショップは、住道の駅から少し離れたところに1店舗あったのですが、駅前に出来て便利になり、嬉しく思ったものです。
そして約9ヶ月程前の昨年の秋、駅から徒歩10分ぐらいのショッピングセンター内にまたしてもSeriaは出店をしました。
そしてそして先月、今後は、駅から徒歩5分ぐらいのところにある京阪百貨店内にSeriaはさらにもう一店舗出店しました。この二年間で、なんと私の住んでいるところから徒歩10分圏内に3つのSeriaがあることになりました。高級品ではないので、お店を利用している人も多いだろうから、狭いエリアに3店舗あっても利益はあがるという判断なのでしょうか?
1.イメージ
私自身は100円ショップSeriaにたまに行くだけでそれほど頻繁に行くわけではありません。またそれほど100円ショップ業界に詳しいわけではありません。しかし、私のイメージでは、Seriaは、他の100円ショップと比べて、店の外観・雰囲気がこぎれいなイメージがあり、また製品もパッケージの仕方もあるのかもしれませんが、他の100円ショップより少し質のいいものが置いているイメージがあります。(実際よく100円ショップに通っている人がみたら、違うイメージかもしれませんが・・・。)
また、結構、賃料の高いであろう駅周辺とかにも店を出店しているイメージがあります。しかも他の100円ショップは、市街地の駅前に出店したとしても店舗面積がそれほど大きくない感じがあるのですが、Seriaはそこそこの規模の店を出店しているような気がします。(あくまでイメージです。実際に調べたわけではありません。)
2.財務状況等を調べてみたら非常によい会社であることがわかった
それほど出店攻勢をかけているのなら、成長企業によくあるパターンで、かなりの借金をしながら出店攻勢をかけているのかなと思いました。が、調べてみると、そうではありませんでした。FISCOのサイトでみると、2017年3月期で、総資産70,768百万円円を保有しており、その資産を取得するための資金調達源として、有利子負債は2,668百万円しかありません。利益剰余金が46,925千円と多額になっているので、過去からの利益を積み重ね、その税引き後の利益から投資していることになります。
それを裏付けるようにキャッシュフローをみても、2017年3月期は、営業活動で稼いだキャシュフローが14,113百万円で、そこから投資したのが4、054百万円、借入金を返済したのが、2,244百万円で、差引7,815百万円となっています。つまり、営業活動で稼いだお金で、その年度の出店費用・内装などの投資をして、さらにその年度に必要な借入金を返済して、それでもまだ7,815百万円の現金等が手元に残ったことになります。
2017年3月期で、合計28,507百円の現金等価物をもっており、総資産の40%が現金等価物で占めており、非常に財務面では安定している会社ということになります。
新規出店といっても土地などの不動産は保有せず、敷金・礼金 及び 飲食店等に比べたら格段に少ない内装の設備費用だけで出店出来るのでしょう。
出来るだけ固定資産を持たない経営で、少ない資産で、利益を上げようとする効率的な経営をしているのであろうと推測されます。
3.利益率も向上中
続いて、利益率を見るための資料として、29年3月期決算説明会資料を見てました。その2ページにポイントが書かれています。
売上高だけでなく、営業利益も過去最高であります。
また「(売上-仕入)=粗利益 / 売上 」で計算する売上高総利益率(販売管理費などは対象外として、仕入金額と売上金額の差益がどれだけ高くとれているかを示す数値)は、前期比0.5ポイント上昇。円高での仕入れ価格の低下の要因と雑貨の販売構成比率が高くなったことが要因となっているとのことです。
仕入にはアジアからの輸入が多いだろうから円高になるメリットはわかるとして、菓子食品類より、雑貨が売れた方が利益率が高いということは今回初めて気づきました。
ちなみに売上原価率は57.1%なので、100円ショップの全商品平均の原価は57円というところになります。(上記資料5ページ)
会社四季報によると、POSシステムを積極活用しているとのこと。その影響もあるのでしょう。売上高に占める販管費の比率も29年3月期は32.5%と前期より0.7%減少と、販売管理費も抑制されています。(同じく上記資料5ページ)
また、こういった会社は新規出店をして、その新規店舗の売上により利益も前期より上乗せさせていくことが多い気がします。しかしながらSeriaは既存店も売上高前期比103.1%となっているので、開店の物珍しさで集まったお客様だけでなく、Seriaを気に入って、引き続き通い続ける人が一定数になっているということですね。
まあ100円ショップなので、ファンというほどSeriaを大好きな人はいないかもしれないけど、それでも購入したものにそれほど不満を持つこと無く、リピーターとして通っている人もいるということでしょうか。
4.株価も上昇していますし、まだ成長しそうに思えます。
Seriaの株価は、右肩上がりで上昇中です。私も二年半前に住道に最初のお店が出来たとき、いい会社かもと思い、株価を調べてみました。その時から、株価は右肩上がりで上昇していたので、株価は割高で、下がる可能性があるかもと、深く調べることもなくパスしてしましました。
が、それ以降も、会社の成長が続いているので、株価の右肩上がりは続いているようです。2年半前に買っておけばと少し後悔するも、そういうこともるものです。
今後もし円安になれば、仕入原価があがるので、利益にマイナスの要因となりますが、それ以外のマイナス要因は見当たらない気がするので、考えようによっては、今から買っても遅くないのかもしれません。ただ、成長株なので、人気があり、現在の市場でも引き続き買われているので、割安な株とはやはりいいにくいですね。私はそれ以前に今から投資するのは悔しいので購入する気はないですが・・・。(なお投資は自己責任でお願いします。)
会社四季報などを見ると、元々は東海が地盤とのこと。本社も岐阜県大垣市にあるとのことです。そのせいか地区別の店舗数でみると、28年3月期末時点からは、関東甲信越地方が一番店舗が多いですが、27年3月期末時点までは、東海北陸地方の出店数が一番多かったようです。
29年3月期現在で、フランチャイズ55店も含めて1,424店舗と記載されています。一方、上場はしていませんが、この業界のトップであるダイソーは、1年前の平成28年3月で国内3,000店舗。また海外に1,500店舗となっていますので、まだまだNo.1の道は遠そうですね。
ただ、逆にいえば、まだ伸びしろはあるのかもしれません。よって、今後ますますSeriaの看板を見る機会は増えるかもしれませんね。さすがに大東市住道周辺にはもうこれ以上の出店はないと思いますが・・・。
今西 学
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