みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。
個人事業者と違い、法人は、税務申告を単独で行うのが難しいこともあり、税理士との顧問契約を締結することが一般的です。
このことは税理士にとっては、法人との顧問契約を結ぶことで、毎月固定的な報酬が入ってくることになり、安定的なビジネスにしていくことが出来ると言えます。
私も開業時、零からのスタートだった顧問先が少しずつ増えて、何とか安定した生活を送ることが出来ています。(断ったり、断られたりしたこともあり、今はピークより減っているのですが。)
私ももう少し顧問先を増やししたいのですが、価格だけで比べられると、私のような、ひとり税理士事務所は、決算・申告業務、及び相談・アドバイス業務もすべて税理士自らが行うことから、厳しい面があります。
1.帳簿作成、申告・決算業務だけを求める経営者には価格が最も重要な要素になってしまう
税理士である私にとっても、一言で顧問契約の意義を伝えることは簡単なようで難しい面があります。よって、どうしても価格だけで比べられてしまうことがあります。
ネットで顧問料が月2万円と出ている事務所があるので、私の事務所の顧問料は高いのでは?とか、知り合いの経営者はある税理士事務所と1万円安く契約してもらっているみたいなので、それに合わせて欲しい等。
税理士事務所が提供するサービス内容は、どこの事務所に頼んでも同じと考えている経営者もおられます。安い税理士事務所と契約すれば、その分経費削減が出来ると考え、顧問料の安さで税理士事務所を選択されるでしょう。
私の事務所とその安い事務所とが具体的にどう違うのか、その会計事務所がどういった体制、訪問回数をベースに顧問契約の料金提示をしているのかわからないので、一概に言えません。
通常は、税理士が直接対応するのではなく資格のない担当者がくること、訪問回数が少ないこと、が考えられるので、料金は安く出来る旨考えられるとお伝えするのですが、それも例外的に安くてすごいサービスはあるのかもしれません。
よって、安い事務所は、企業努力をしていて、ひとり税理士事務所は経営努力が足りないと経営者が考えられても、それを100%否定することは難しい気がします。
要は、経営者が何に価値観を置くかによって、税理士の顧問契約に対する意義・捉え方が変わってくると思います。
2.他の税理士事務所を経験して顧問になった経営者とそうでない経営者で違う気もします。
私の顧問先は、今は顧問先でなくなったところも含めて、従業員10人程度までのところが多いです。
その顧問先の経営者は、新規に事業を開始し初めての税理士が私の事務所であった経営者、他の税理士から(その税理士の廃業等も含めて)変わってきた経営者の大きく二つに分かれます。(当たり前かもしれませんが)
このうち、どちらが私自身の良さを伝えやすいかというと、他の税理士から変わってきてくれた経営者のような気がします。なぜなら、他の事務所を一つでも経験されていると、私の事務所の費用対効果を感じてもらいやすいからです。
それらの経営者は、比較する対象が既にあるので、少しがんばってサービスをすれば、前の税理士事務所と比べていいサービスであると、顧問契約の内容面の違いに気付いてくれます。
例えば、前の事務所はあまり相談にのってくれなかった、担当者としか話せなかったのに税理士から直接アドバイスをもらえる、とても相談しやすい、真摯に対応してくれる等感謝され「いい税理士」という評価をいただくことがあります。(自分で言うのも何ですが)
ただ、新規開業の人、新規に法人を設立した人で、初めて税理士と契約されるのが弊事務所だった場合は、少し捉え方が違います。
一生懸命対応しても、他の税理士事務所と比較しようがないので、税理士の顧問契約サービスはそれが当たり前という認識をもたれてしまうことも多いです。
直接税理士ではなく、一担当者としかほとんど話せない事務所が行うサービス、ほぼ会計処理だけを想定して価格をつけている事務所が行うサービスと、私の事務所の顧問契約は違うサービスをしてつもりです。
面談のときもメールにて回答するときも、常に税理士という税の専門家が直接担当するサービスを提供しています。ただ、比較する対象のない経営者とつきあうと、なかなかそのことを理解していただけないケースもあります。
3.経営のアドバイスや問題点の指摘に価値観を感じてくれる経営者としか顧問契約はしない方がいいのでしょう。
先日も、私が開業まもない時からつきあってきて、順調に拡大し、個人事業主から法人成りしたばかりの顧問先から、同じような言葉を言われてしまいました。
具体的に安く契約するという事務所からの営業もあるようです。(税理士業界も自由競争ですから、その事務所が税理士乗り換えの営業をすることは否定しませんが)
その経営者の方とは、個人事業の数年間、ずっと相談にのってきた経営者だったゆえ、他の激安事務所と比較して、それに価格を近づけてほしいという指摘には少し残念でした。
他の顧問先と比べて税務だけでなく労務の相談もあったことから、かなり相談内容が多い顧問先だったこともあり、現在の定価から下げるのは難しい旨お伝えしました。
長年のつきあいでしたが、今回で契約解消になるかなと思っています。顧問先がなくなることはつらいですが、数年付き合っても、私と付き合うことに価値観を感じていない人へのサービスは、無理にすべきではないと思っています。
もちろん、サービスを提供する私の方も自分の事務所の良さをアピールすることは必要でしょう。
ただ、品質が高いや一生懸命だけでは、響いてくれる経営者の人もいますが、若い世代の経営者にありがちな気がしますが、そうでない経営者も多いものです。
現在、たまたま読んでいた書籍でも、価格のアピールは大きく、「品質がいい」だけでは、アピールとしては弱いという趣旨が書かれていました。言われてみれば、確かにそうですよね。
ここ最近、自分の情報・考え方をブログやホームページで発信して、それに納得していただける方とだけ顧問契約するように方針を変えました。
会計事務所のうち、価格を大きく下げて顧客を獲得する激安事務所は、税理士事務所全体のほんの数パーセントぐらいしかないのでは?と思います。
ただ、ネットで検索するとどうしてもその事務所の価格が目立ち、その顧問料が一般化されてしまいます。これから丁寧なサービスで、顧客を広げていきたい税理士にとっては、厳しい時代かと思います。
ただ、そういう時代であっても、私自身のサービスに満足・感謝して顧問契約をしていただいる経営者もいます。
少しずつかもしれませんが、そういった価値観を共有できる経営者との出会いが増えるよう、あせらずに、また長期的に自分自身をPRし、またサービス内容を高める努力を続けていきたいと思っています。
(編集後記)
上記、たまたま読んでいた書籍は、泉正人氏著作『「稼ぐ力」を身につけた9人のビジネスストーリー それ、売りますか?貸しますか?運用しますか?無料という手もありますよ。』という書籍です。
すごく読みやすいですが、ビジネスモデルを考えるのに役立つ内容もある書籍です。事業の採算をどのようにとっていくのか、そのヒントが書かれています。起業を考えている方には、事業計画を立てる前に読んでみれば参考になると思います。
今西 学
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