従業員10人前後までの事業者にお勧めしている給与計算ソフト

みなさん。こんにちは。now3のアドレスでブログを更新している大東市の税理士・社労士の今西 学です。

先日、税務会計の顧問先から、年金事務所より「総合調査のお知らせ」(通知)が来ている旨、連絡をうけました。その通知には、労働者名簿・出勤簿とともに、賃金台帳を持参する旨記載がありました。

賃金台帳ですが、小さな事業所でもつくっておられますか?どんな会社でも賃金台帳は法律上作成する必要があります。そんな賃金台帳を作成するためには、やはり小さな事業者でも給与ソフトを利用するのが効率的であると思います。

1.従業員5人までの会社で使える無料のクラウド型給与ソフト

私の税務会計顧問先は、現在最大で従業員が11人。ほとんどが家族だけで経営している従業員5人以下の会社です。特に、役員だけの会社などは、厳密な勤怠管理も必要ないので、そんな会社に、お勧めしているのは、クラウド型会計ソフトの「フリーウェイ給与計算」というソフトです。

以前は、Internet Explorer上でしか動作しなかったのですが、Google Chrome、Safari、Firefox、Microsoft Edge上でも動作するようになり、便利になりました。シンプルなソフトで、使い勝手もそれほど悪くはありません。一番特徴的なのは、従業員数5人までは無料で使えるということです。

無料ではありますが、クラウド型ソフトなので、健康保険料率や、厚生年金保険料率の変動に対応し、「最新の料率に更新」ボタンを押しさえすれば、最新の料率で控除保険料の計算をしてくれます。もちろん、源泉徴収簿や給与明細、先ほど述べた賃金台帳なども作成出来るので、最低限の機能は持っています。

この無料版のソフトは電話・メールのサポートはありませんが、私の顧問先が使う場合、最初の設定まではさせてもらっているので、その後の毎月の処理は、慣れてくれば問題なく出来る方が多いです。そして、保険料率更新が必要なときは、私の方からその旨ご連絡させていただくので、その月については、「料率更新」ボタンを押していただくようにしております。よって、それほど使い勝手が難しいソフトではないと感じています。

現在、手計算で給与処理されている従業員5人までの会社はぜひ無料ですので、試してみてください。

2.従業員6人以上の会社では他の選択肢もあります。

さて、従業員6人以上の会社が上記フリーウェイ給与計算を使う場合は、毎月1,980円の料金がかかってきます。それでも給与ソフトとしたら価格は安いほうですし、人数が増えてもこの料金であること、また有料版はサポートもつきます。よって6人以上でこのソフトを使うという選択もありかと思います。

また従来従業員6人以上の方に、私がお勧めしていたのは、私が弥生会計の会員であることもあり、クラウド型ソフト以外のパソコンにインストールするソフトで、一番シェアが高い「やよいの給与計算」(弥生給与)です。

なおもう一つ上のグレードに「弥生給与」がありますが、価格は、2万円台前半と6万円後半と差があるので、従業員20人前後までなら、「やよいの給与計算」で充分でしょう。

パソコンにインストールするソフトなので、操作の安定感はありますが、社会保険料等の料率の変更は自分自身で、料率を手入力して変更する必要がありますので注意が必要です。

ただ、会計ソフトの弥生会計はとても使いやすいソフトですが、「弥生給与」、「やよいの給与計算」は、給与計算のノウハウを一定程度有する人でないと使いにくい気がします。よって使いやい給与ソフトという感覚は残念ながらありません。

あと、どうせ有料ということで、使いやすさを求めるなら、(私は使ったことがないのですが)会計ソフトでもシェアを拡大させているfreeeの「給与計算ソフトfreee」、あるいは「給与ワークス」などのクラウド型給与ソフトも検討に値すると思います。これらは従業員の人数が増えるごとに利用料もあがり、利用料負担が大きくなるというマイナス点があります。

ただ勤怠入力も出来ることから、単なる給与計算ソフトを超えたソフトともいえます。従業員の出勤簿も作れるだけでなく、残業があるなら、その計算にも役立てることが出来るようです。

以上、従業員5人までは、原則的にはフリーウェイ給与計算をお勧めし、それ以上の従業員がいる場合は、ケースバイケースで自社にあったソフトを選んでいただいています。個人的には、今後はクラウド型給与ソフトの利用を積極的にお勧めしたいと思っています。

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今西 学

今西 学

大阪の大東市(最寄駅:JR学研都市線の住道駅)で税理士事務所を開業中。(ホームページはこちら) このブログでは、税金・年金・お金の運用など日々の業務で気づいたことや、幼少の頃身体が弱かったことから常に健康で生きていきたいという思いで日々取りくんでいること等を記事にしています。 詳しくはこちら